2010/06/22

青い目の少女



うちの学校に来たオーストラリアの少女は
今日で美術の授業もラストをむかえました。

言葉もまともに通じないこの子に何を教えよう、、、
かなり不安な自分をよそに、すごく頑張り屋な彼女
はいつも一生懸命手を動かしていました。

日本画や日本伝統の工芸など、日本特有の技法に触れ、
思い出をカタチにして持って帰ったら、それが彼女が
頑張った一つの成果として母国で待っている人達にも
誇れるのではないかと、私も毎時間頭をひねって
ひねって教え方にも工夫を凝らしました。
何より、二年後三年後十年後、自分の作品を見たとき
日本への想いだとか、そのときの情景だとか、香りだとか
を思い出してくれたらどんなにうれしいことか、、、。と

3ヶ月の滞在期間、最後の作品の七宝焼きを一生懸命
完成させ終わったあと、彼女の家族の事、ワールドカップでは
オーストラリアは弱くて困るだとか、得意なピアノのこととか
ホストファミリーの家から学校まで自転車で30分とかあり得な
いとか、、、色んな話しを聞きました。

そして、今までつくった作品を渡して、お別れの時。
普段あまり笑顔を見せない彼女が、満面の笑顔で
「すごくすごくすごく、美術がタノシカタデス。
もっともっと勉強ガンバて、必ず戻ってキマス。」
日本語で書いた手紙を手渡しながら、こんな事を言ってくれました。
最後にハグをして彼女の成長した後ろ姿を見届けました。



決して器用ではない彼女が、最後まで一生懸命ものづくりを
する姿勢は、他の生徒もきっと学ぶところがあったはず。
もちろん私も。

彼女の3ヶ月の大きな成長を見届けれたこと、自分が教えると
いう立場でものづくりの原点を感じれたこと、
美術は万国共通に共有し合えること、あたりまえだと思って
いたことを改めて実感できたことが、わたしにはいい刺激と
なりました。

もの作りっていいな、、、、
美術を教える立場になって心の底からうれしく思います。

全部自分のもの作りの原動力になっていくのがこの仕事の
醍醐味。
素敵すぎます。

ほんとやっていてよかった。

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