2011/01/29
分身
約五ヶ月、彫刻と向き合う子供達と向き合いました。
授業で生徒自身を頭像、胸像で作らせたのです。
そこで感じたことを少しだけ、、、。
自分が普段制作している内容を今回すべてやらせました。
粘土での形成、石膏取り、着色。
大学で学ぶことを高校生に体験させたのには、それなりの
わけがあります。
芸術系の大学に進む彼女らに、普通の高校の美術の授業で
は「味わえないもの」を感じてほしかったのです。
彫刻は、制作場所と自分の体力と精神力がないと出来ない
ものです。絵画のように描いたら終わりではなく、
粘土で作って、型取りして着色までしなくちゃならない。
手がかじかんで、服がぼろぼろで、体力を振り絞って
最後までやり遂げる強い心を養ってほしかったのです。
立体を学ぶとものを3次元で捉える力が身に付くだとか、
自分を制作することで、自分を見つめ直すことができる
だとか、それはすごく大事なことなんだけれども、その
へんは大学でじっくりやればいい。
今の子供達にほんとに身を持って伝えたいのは、
「最後までやりぬく」ってこと。
こんちくしょーって、意地でもやってやるっていう競争心
の時代で生きて来た昭和人間の私からすると、今の子達は
綺麗すぎるんです。地面から18センチくらい浮いてるんです。
どろどろになって、転げ回って、傷ついて、腹から笑って。
ちょっと周りに流されても根っこととこにはきちんと意地
があって、泥臭い人間、たくましい人間であってほしい。
お金も時間も莫大にかかるこの立体をつくりあげる作業は
ほんとうは無謀なんだと思います。
「限界」がつきまとってきますから、こんなこと他の学校
はやりたがりません。
でも、やり遂げた、作り上げた時の子供達の満足げな顔は
やってよかったというキモチにさせます。
作り上げた瞬間の、その感情をずっと胸に秘めていって
ほしいな、、。
こんな想いがループする毎日です。
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