2013/04/25

「はじまり」

先日、象潟のほうまで足をのばし、池田修三さん(1922-2004)の版画の展覧会にお邪魔してきました。

国内外で有名な彼ですが、秋田の家々に飾られたり、お祝いごとには贈られることが多い、昔から親しみの深い作家さんです。

私も小さい頃から、親戚の家で見かけたり、銀行の通帳に使われた作品を見て身近に思っていた分、今回の展覧会は興味深く、本当に楽しみにしていました。



公会堂に展示された作品の数々。

ぎゅっと胸をわしづかみにされるような懐かしい気持ちにさせられました。

少女や花々、鳥などのモチーフが大半で、幼い頃の記憶とかその頃の香りがふんわり作品をまとっていて、とても引き込まれます。

年配の地元の方もたくさん来場されてましたが、きっと彼らも同じ気持ちで見ていたのではないかな。
身近なこの作品とともに彼らもまた育ってきたのだと思います。




池田さんは版画を誰にでも身近なものであってほしいと、あえてとても安い値段で売っていたそう。(信じられない値段)

作家本人にしか出せない色、そんな人を想う気持ちを手間を惜しまずに作品に込めるという丁寧な作業が、年月が経ったいまでも作品からは色濃く感じられます。

秋田にはこんなに素敵な作家さんがいる。

秋田の地が育んだ人。

ものづくりの本質を、彼の人柄、作品から学びました。





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